まずは、半田悠人さんに相談することから始まりました。

実はこの"EARTH TO WEAR"のコンセプトやプロジェクト名が決まる前から
皆さんに届けたい"モノ"や体験してもらいたい"コト"を
屋台のようなもので全国津々浦々放浪できたら素敵だなとメンバーで話していました。
お店を構えてみなさんをお待ちするのではなく、こちらから伺う、っていうスタンスでいいんじゃないかと。

メンバーの１人と旧知の仲であった建築家の半田悠人さん(インスタアカウント)にはかなり早い段階で屋台を作りたい！と相談していました。
今思えば、コンセプトが固まらない中で想いだけが先走り、無理難題を押し付けてしまったと猛省しているのですが、この半田さんという建築家は甘いマスクと柔らかい物腰とは裏腹に何と頼りになる方か。
我々のわがままを快諾してくれたのはもちろん、半田さんが具現化するそのデザインとコンセプト、模型を見たときには本当に感動しました。
この素晴らしき建築家に、改めてこのYATAIのコンセプトやデザインポイントをインタビューしました。

ー最初に屋台を作りたいと聞いてどう思いましたか。

「全国にショップを展開する企業が屋台でポップアップをやるという発想が面白い、EARTH TO WEAR （以下、ETW）という、コンセプトは日本人らしいし、食事の前にいただきます、って言う感覚に近いなと思いました。」

「今までにもショップや空間、建築をやらせてもらっていますが、いかに安く作るか、大衆的に作るか、商品やサービスが売れるためにはどう作るかと言う仕事が多い中で、ETWはあれもこれも盛り込みたい、という意味で真逆で面白いですね。」


ー コンセプト、デザインポイントを教えてください。

「ETWのコンセプトを聞いて屋台といえば安く、楽に持ち運びできるというのが屋台たる所以だったりするのでそうではなくて、誰が見てもかっこいい、丈夫でアカデミックなものを作りたいと思ったんです。」

「物販もしたいし、ワークショップもしたいし、展示もしたい、という要望を本当に全部やるとは思いませんでした。どこかで何か諦めるだろうなと思っていましたが、いい意味でやりたいこと、全部やるんだな、欲張りだなと。その結果、机が出し入れできたり、それが展示台やワークショップの机になったり、ハンガーをかけられるフックがついていたり。来てくれた方とカウンター越しに会話したいから幅が広すぎなかったり、高過ぎなかったり。ヒトやモノがそこにあって初めて屋台が完成する余白を残したデザインになったかなと思います。ただ、形がかっこいい、面白いだけでなく、服と同じようにデザインに意味がある、"関係"が"機能"している。デザインができたと思います。」

ー 苦労したところ、難しかった点は。

「このデザインの制作を引き受けてくれるところが無かったんです。正直、30社以上断られました。」
「えー。そうだったんですか。」
「今回のデザインは木でなく、金属製のパイプがメインの部材。大きなパイプの溶接ができるところは東京には一つもないと言われました。
お得意さんならともかく新規のお客さんではなおさら難しい、と。それじゃと思い諦めずに郊外を当たっていくと、埼玉県吉川市の山口製作所に出会いました。山口製作所は素晴らしい会社で"夢のある仕事を"という社訓があって何かに挑戦しようとしている若者を応援したいから、と喜んで引き受けてくれました。」

30社も聞き回ってくれたと思うととてつもなく申し訳ない気持ちになると同時に山口さんが制作を受けてくれたのは半田さんの熱意と人柄が伝わったのだと確信している。

インタビューを終えて半田さんホントいいこと言うなーと感心しながら、この出会いに感謝、と思わずにはいられない。
やっぱり"モノづくり"って"ヒトとの出会い"だよな、と思う。

そういうわけでETWの素晴らしい"YATAI"が完成（予定）です！

「屋台っていうマインド自体が日本の文化だし、色んな人に見て欲しい。日本人だけでなく、例えば空港とかに置いて海外の方にもお土産感覚でのぞいてほしい。」

確かにそうだと思って"屋台"じゃなくて"YATAI"になりました。
空港もいいし、どこでお披露目できるのか、私たちも今から楽しみでしょうがないです。

「このSHOP、COOLですね」
「そうでしょ、COOLでしょ、YATAIっていう日本のカルチャーだよ」

私はしたり顔で言うんだと今から決めている。